2025/06/04 17:00
『メニューを出すのは三流のバー』
という話を聞きました。
ウチはほぼ100％出します笑
バーにしてはメニュー作り込んでる方だと思いますし。
そもそも私は『バー初心者の為に間口を広げたい』思いがあるんです。『バーって良い所』『カクテルって美味しい』って思う人を増やしたいから。
都会の高級店だと『メニューを出すのは三流のバー』という考えがあるんでしょうけど、ここ地方ですし笑
お酒を飲む人が減っていってる時代なので、もっと間口を広げてバーの魅力を伝えることが大事なんじゃないかと。これって高級店ができないことだと思うんですよね。高級店は間口を狭めてターゲット層を絞ることで高級店に成り得るわけで。
私はバーやお酒を高尚な物とも思ってません。
自分の能力値や立地、色々総合的に考えると自分がやるべきことは『初心者が行きやすいバー』というスタイルに行きつきます。『やるべきこと』というか『できること』に近いかな？
たぶん多くのオーセンティックなバーは『初心者を集客する』ことが苦手な分野だと思うんです。イメージからして敷居が高いし。バーに行った事がない人は「マナーが分からない」「何を頼めばいいか分からない」だから行きづらいって思ってる人がかなり多いです。
マナーに関しては以前書いたと思うので割愛。
→コチラ
「何を頼めばいいか分からない」に関しては、そもそも初心者の人はどんなお酒があるのか、どんな味なのか分からないわけなのでメニューを出すべきだと思うんです。
『好みを聞いて最適なものを提案するのがプロ』みたいな考えも分かりますが、それはバーテンダー側の思想の押し付けにも感じるんです。初めての人はその会話自体が緊張やストレスに感じる人もいるはず。値段が分からないのも不安要素になりますし、メニューがある事に対してのマイナス要素はほぼ無いのかなと。
なのでこのサイトでもグーグルマップでもメニュー表のPDFをダウンロードできるようにしています。価格帯とかも知りたいでしょうし。
ウチのメニューはカクテルの名前と値段の他に、一言説明とグラスの形状をイラストで表記しています。これがやっぱり評判がいい！笑
「バーに来たら逆三角形のグラスで出てくるカクテルが飲みたい！」って思う人もいるでしょうし、ズラッと並ぶメニューの中で一目である程度絞れるのは効率がいい。
あと、もちろん聞かれれば答えるんですが、1人で営業している関係上、忙しくなるとなかなかその対応が難しい時があります。その時、自分の代わりにお客さんに説明してくれる自分の分身みたいな存在でもあります笑
ちなみにウチにある材料ならカクテル200～300種類ぐらいは作れるはず。ですが、それを全部メニューに書くのは違うかなと。メニューが多すぎるのも不親切だと思うんです。そんなにあったらお客さんは選ぶのが大変。
メニューに無いものも言われれば作りますし、それを頼む人はメニューに無くても頼むはず。
私はオーセンティックな雰囲気のバーでやってますけど、結構業界的には異質な存在だと思うので、『オーセンティックの格式』みたいなプライドはあまりないです笑
めちゃくちゃ頑固だって言われますけど、型にはまらない柔軟性は高いんじゃないかなと。はまらないと言うかはまれないと言うか笑
オーセンティックなレベルのカクテルを出すことにはこだわりますけど、それ以外は…笑
ウチはコーヒーもメインに扱っていることもあって、「普段バーには行かないけど、コーヒーが好きで気になったので来ました」というお客様もいらっしゃいます。
嬉しい！！笑
これがまさに望むものであって、ウチだからできる集客方法なわけです。
お酒好きだけじゃなく、コーヒー好きにまでリーチできるのが強み。英語もOKなので外国人のお客さんも対応できます。海外でバーテンダーやったり、店を開く前に外人バーでアルバイトしたのも全てこのため。
以前、自家焙煎珈琲豆のオンライン販売をしていたのも稼ぐためではなく、このスタイルのバーを開くのを想定して、経験とデータ収集と技術の向上のため。たぶん周りからは「またなんか変なことやり始めた」ぐらいに思われてたんでしょうけど笑
この辺りが計画重視のINTJらしさかと笑
現状『バー初心者』のお客様の来店は他店に比べて多いんじゃないかと思います。『０→1』は一番難しいと言われますけど、ウチは比較的得意分野。他にも良いバーがいっぱいあるので、ウチに来てバーに興味を持ったら他のお店にも行ってみたら良いんじゃないかと思うんです。それぞれのバーにそれぞれの特色があるので楽しいはず。
ちなみにウチは注文のほとんどがカクテルです。9割以上。ウイスキー等のスピリッツ単体はそこまで出ません。品揃えが豊富なわけでもないのと、看板商品がエスプレッソを使ったカクテルですしね。バー初心者がウイスキーやブランデーを飲むこともあまりないかなと思いますし笑
カクテルの方が提供までに時間かかって大変ではあるんですが、そもそもカクテル作るのが好きでこの世界に入ったので楽しくもあります笑
素晴らしいサービスはできませんが、美味いカクテルだけは出します！
興味あるけどまだ来たことがないという方がいらっしゃいましたら是非お気軽にご来店ください😌
【以下、余談】－－－－－－－－－－－－
面白い記事がありました。
『結果として、INTJタイプの「計画性のなさ」は、実際には高度に構造化された内的プロセスの外部表現の不足 』
まんまコレだと思う笑
抽象的思考、直感的問題解決、非線形的思考。
「何考えてるか分からない」「説明してよ」って言われることがまぁまぁあるんですけど、思考プロセスが複雑な上に説明が下手で理解されると思ってないから最初から説明する気がない笑
計画を他人に説明しないから「本当に店出すと思わなかった」とか言われます笑
店を出す前、行動重視派の人から見たら何もやってないように見えたらしく、「なんでまだやらないの？」「本当に店出す気はないの？」って言われることがありました。私としては情報収集しながら頭の中で数手先までシミュレーションをして『起こりうる問題』を予測し、その解決策まで考えていたわけなんですがね。動き出してから足止めを食らうのが大嫌いなので笑
店を出す一年ぐらい前に、私が「流れに乗る」って言ったときに「自分から動いていくのが大事じゃない？」みたいに言われたことがあるんですけど、私の言う『流れに乗る』の意味を誤解してるなと思いました。人任せや運任せって意味じゃないんです。
簡単に言うと「流れに乗る」の前段階として「チャンスが来た時に掴めるように準備しておく。」って意味を含んでいるんです。個人的には『早くやればいい』ってもんじゃない。準備をし続けて『今だ！』というタイミングで行動に起こす方が成功確率は上がるんじゃないかと思ってます。
想定外のことは起こるものですが、可能な範囲で予測・対策するのとしないのとでは大きく違ってくる。「店を出す」のはスタート地点であって、「経営を続けていく」ことが大事。「稼ぐこと」よりも「潰れないこと」を重視したリスクヘッジです。
以上、余談。長くなりました笑
